ひよっこエンジニアの備忘録

日常とかSEとしての備忘を書いていきます。

NSX-T3.2.2 マネージャのリストア

先日自宅ラボ環境のESXiが応答なし状態となりました。
ESXi自体は再起動にて復旧しましたが、応答なしになった以降から当該ESXi上で稼働していたNSXマネージャ仮想マシンGUIにログインできなくなってしまいました。
(予期せず終了したせいでDB情報が壊れた…?)

NSXマネージャ仮想マシンの再起動では復旧せず、、
週次で取得していたバックアップデータがありましたので、バックアップからリストア作業を実施します。

[利用環境]

VMware ESXi 7.0.3 build-21686933
VMware VirtualCenter 7.0.3 build-21290409
VMware NSX Software, Version 3.2.2.0.0.20737193




[NSX-Tの概要]

VMware NSX-Tの概要について記載された公式ドキュメントのリンクは以下となります。
興味のある方はご覧ください。
docs.vmware.com

またこちらのSB C&Sさんの記事に情報がまとまっていますので紹介させていただきます。
(公式ドキュメントは正直わかりづらい…)
licensecounter.jp

NSX-TはVMwareが提供している仮想ネットワーク(SDN)製品です。
ざっくり管理プレーン / 制御プレーン / データプレーンで構成されていて、NSXマネージャはAPI / GUIサービス、管理プレーン、制御プレーンの役割を担っています。

なお私の環境ではリソースの都合でNSX マネージャをシングル構成で利用しているため、作り直しかリストアの2択でしたが
本番環境で利用する際には3台でクラスタを組むことが推奨されています。
正常にクラスタが組まれている状態で3台中1台の故障であれば本来リストアは必要ありません。

[作業手順]

基本的に以下公式ドキュメントの記載に従って作業を実施します。
https://docs.vmware.com/jp/VMware-NSX-T-Data-Center/3.2/administration/GUID-9749F041-15E5-4662-85E7-756D4B071C17.html


1. 既存NSXマネージャの停止
まず既存のNSXマネージャを停止しておく必要があるため、vSphereClientからNSXマネージャ仮想マシンを停止します。
(この時点ではvCenterのインベントリ上にNSXマネージャ仮想マシン自体は削除せず残しています。)

2. 新規NSXマネージャのデプロイ
vSphereClientから、デプロイ先のホストを右クリックして[OVFテンプレートのデプロイ]を選択し
NSX-T 3.2.2用のOVAファイルからデプロイします。

この時点では既存NSXマネージャ仮想マシンがvSphereClientのインベントリに残っているので、
vSphereClient上の管理に使用するための新規NSXマネージャ仮想マシン名は既存と別のものを指定する必要があります。

上記はあくまでもvSphereClientの管理用パラメータなので、実際のvAPPオプションで指定するホスト名は既存と被っていても問題ありません。
また既存NSXマネージャの停止済みなのでIPアドレスも既存と同じで問題ありません。

3. 新規NSXマネージャの起動
デプロイが完了したら新規NSXマネージャの起動し、GUIへアクセスします。
コンソール上で起動シーケンスが完了しても、NSX内部処理の関係でGUIへアクセス可能になるまで多少時間がかかります。

4. NSXマネージャGUIにアクセスできましたら、[システム] > [バックアップとリストア] を選択し
 [編集]からバックアップサーバ情報を登録します。
 バックアップサーバのIPやバックアップデータの保存パス、リストアに使用するパスフレーズの入力等を実施します。

 

 

5. バックアップサーバの登録が正常に完了すると、過去のバックアップデータ履歴が表示されます。
 リストア対象のバックアップデータを選択して[リストア]ボタンを押下します。

 







6. [リストア]ボタンを押すとリストアに関する注意事項が表示されますので確認してください。

 

7. リストア処理が開始されます。

 

 たまにエラーメッセージが表示されますが、ブラウザを更新するとなにごともなく進んでいたりしますので
 まずはブラウザを更新してみてください。

 
 
 

8. リストアが完了しました!
 セグメントや論理ルータ情報、ファイアウォールルール等が復旧しています!
 
 
 
 
 コンピュートマネージャとの接続も自動で設定されるはずなので、Hostのクラスタ情報もvCenterと同期できるはずです。
 なおバックアップのスケジュール設定はリセットされてしまいますので、忘れずに再設定しておきましょう!